金沢の稀少伝統工芸である加賀象嵌のお話を中心に、その他趣味のお話もちょろちょろと…。


by pa-pen
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ちがうんだなぁ…

本日までしいのき迎賓館で開催されている展示「加賀象嵌の小宇宙」で、会期中一週間程、監視のバイトをさせて頂いておりました。


色々なお客様がお越し下さりまして、皆様の感想を伺うだけでも非常に勉強になりました。

そんな中で、あ〜勘違いされている事が多いんだなぁと感じた事が少々…。
このブログを読んでくださっている方々の間だけでも誤解を解きたく、よくある間違いを訂正させて頂きたいと思います(苦笑)。


【彫銀ではなく彫金】

「あ〜これは銀を彫ってるから彫銀やね〜」という会話が時折聞こえましたが、銀を彫っても銅を彫っても、彫ってなくても彫金です(笑)。

彫金の金はGOLDの金ではなく、金属の金です。
彫金の彫は彫るということからきているのでしょうが、現在は彫らなくても金属を加飾細工することを彫金と呼びます。

加賀象嵌も彫金の一部です。


【加賀象嵌は金属のみ】

象嵌という技法は、木工や陶芸など工芸全般にある技法なのですが、加賀象嵌は金属を彫って別の金属を嵌め込む技法のことを言います。

さらに仕上げも色を塗ったり、漆を塗ったりするのではなく、金属が持つ酸化した時の色を薬品を使い人工的に出しています。金属そのものが持っている色なんです。

京都の京象嵌は漆で仕上げるものが大半ですので、京象嵌と加賀象嵌を見分ける一つの方法になるかもしれませんね。



会期中、ご自身がお持ちの象嵌作品に関してご質問してくださる方もいらっしゃったのですが、お話を伺う限りでは、加賀象嵌と銘打って売られていたにも関わらず、実は京象嵌だった…という方が数人…。


実際金沢のお土産物屋さんでも、「加賀象嵌」という名前で京象嵌のものが売られているのをよく目にします。
お店の店主も、お客さんも、もしかすると仲介業者の方も、加賀象嵌と京象嵌の違いが分かっていないのかもしれませんね。

すべては加賀象嵌の知名度が京象嵌に負けてしまっている事が原因だと思います。
きちんと正しく加賀象嵌の技法の魅力が伝わるよう、これからも頑張っていかなければなぁと改めて考えさせられました。



ちなみに、京象嵌と加賀象嵌で一番分かりやすい違いは、表面の凹凸です。
加賀象嵌の表面は滑らかですが、京象嵌はほんの少しだけ象嵌部分が盛り上がっています。
加賀象嵌は平象嵌という技法が主ですが、京象嵌は布目象嵌という技法が主になっています。

どちらも繊細な技法で、伝統ある物ですので、きちんと正しく皆さんに知って頂きたいなぁと思います。


まずはこのブログを読んでくださっている方から…。
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Commented by みなみ at 2010-12-26 21:50 x
実は僕も象嵌とか螺鈿って言葉を知ったのは最近のことなんです。
日常生活ではあまり聞かない言葉だということもありますね。
やはり知名度が問題かな?
興味を持てば自然にわかることなんですが、最初のきっかけが。。
こうやってみなさんの目に触れる機会を増やしていく、地道な活動が大切なのかなあって思います。
たいへんだと思いますが、がんばってくださいね。
Commented by pa-pen at 2010-12-28 03:10
♪みなみさん

日常生活で直接関係ない事は、本当に興味がない限りはわざわざ知ろうとは思いませんからね。
仕方のない事かな…と思いつつも、ちょっぴり寂しい気持ちもあったりします。
皆さんにちょっとでも興味を持って頂けるよう、地道に頑張りたいと思います!
応援有り難うございます。
Commented by かすてん at 2010-12-31 08:44 x
pa-penさん、こんにちは。
暮れもいよいよ押し詰まりました。
象嵌のミニ解説、ありがたいですね。加賀象嵌はまだ知名度低いのかもしれませんけど、裏を返せばpa-penさんたちの時代がすぐそこに待っているということ。作品作りと普及と、忙しくなりますね。
来年も、よろしく。
Commented by pa-pen at 2011-01-01 14:48
♪かすてんさん

こんにちは。
お返事が年明けになってしまい申し訳ございません。

確かに、加賀象嵌の稀少性には色々な面で作家として助けられている事が多いような気がします。
こういった伝統の仕事についている以上は、普及活動にも力を入れていかなければいけない責任があると思っています。

こちらこそ、今年もよろしくお願い致します。
いつも応援して頂き有り難うございます。
by pa-pen | 2010-12-26 13:41 | 雑記 | Comments(4)