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透かし彫り講座~その1~

私、透かし彫りという技法が得意でして…

それを知っている知人から
「どれくらい細かいものまで出来るの??」
と聞かれることがしばしばあります。


と、いうわけで仕事の息抜きに、透かし彫りの説明も兼ねて、ちょっとお遊びをば…。

どんなものを透かし彫りしようかなぁ…と悩んだ結果、こちらにしました↓

透かし彫り講座~その1~_d0128864_1531271.jpg


最後に透かし彫りについて聞かれたのが飲み屋だったもので…(笑)。

「メニューに書かれてる、ちょっと大き目の文字くらいなら余裕で透かせる!」

と断言したこともあり、いざ挑戦です。

本当は「音楽」にしようかと思ったのですが、流石に忙しいこの時期、お遊びで2文字も透かしてる場合じゃないなぁと思いまして、一文字の「酒」となりました(苦笑)。

油性ペンでデザインを描きます。
今回は950のsilverを使用しております。

隣の1円玉は大きさ比較です。

いざ、作業開始です。




まずはポンチ鏨とオタフクという道具を使います。

透かし彫り講座~その1~_d0128864_1531268.jpg


↑左がポンチ鏨。右がオタフク。
両方とも手作りの道具です。

ポンチ鏨の先っぽはこんな感じです↓。
透かし彫り講座~その1~_d0128864_1531254.jpg


円錐形をしております。

ポンチ鏨で、後から穴を開けたい場所に印を打ちます。
透かし彫り講座~その1~_d0128864_1531256.jpg


ポンチ鏨を板に垂直にあてて、オタフクで叩いて使います。

印を打ち付けた後↓
透かし彫り講座~その1~_d0128864_1531243.jpg


で、ハンドドリルさんの登場です。
透かし彫り講座~その1~_d0128864_1531220.jpg


今回は0.6mmのドリル刃を使用。
後で使う糸鋸という道具の刃が通る最小の穴が0.6mmなんです。
それ以上小さい穴だと、刃が通らないために透かし彫りが出来ないんですよ。

で、ハンドドリルを使って、先程ポンチ鏨で印をつけた所に穴を開けていきます。
透かし彫り講座~その1~_d0128864_1531265.jpg


ちなみにポンチ鏨で印をつけるのは、ドリルの刃が滑ってずれないようにするためです。

穴を開け終わった状態がこちら↓
透かし彫り講座~その1~_d0128864_1531211.jpg



で、いよいよ真打!糸鋸姉さんの登場です(笑)。
透かし彫り講座~その1~_d0128864_1531274.jpg


↑左が糸鋸刃(バローべ社♯0使用)、真ん中が糸鋸、右がロウです。
ロウは普通の蝋燭で、糸鋸のすべりが悪くなったときに使います。
スキー板に塗るワックス感覚ですね~。

先程あけた穴に糸鋸を通します。

透かし彫り講座~その1~_d0128864_1531281.jpg


携帯からの投稿のため、載せられる写真の枚数に限界が…。
まさかまさかの2回連載です(笑)。

続きをお楽しみに…。
Commented by かすてん at 2009-05-18 07:29 x
あの小さな空間もこうしてすべて手で抜いているのですね。でも、これからどんどんお仕事増えて忙しくなって行くでしょうからそうしたら機械作業も導入されることでしょう。オール手作業時代の作品を今の内に作っておいていただかないといけませんな。
Commented by pa-pen at 2009-05-18 09:17
☆かすてんさん

お師匠さんなどは部分的に機械作業を取り入れておりますが、大きな作業に取り入れていますね〜。

細かい作業程機械任せには出来ず、やはり今でも自分の手で作業されております。

私は機械任せにする程大きな作品はあまり作りませんので
いつまでたってもオール手作業だと思います(笑)。

ですので、焦らずいつでもご注文くださいませ♪
by pa-pen | 2009-05-17 02:21 | その他の金工(制作過程) | Comments(2)

金沢の稀少伝統工芸である加賀象嵌のお話を中心に、その他趣味のお話もちょろちょろと…。


by pa-pen