カテゴリ:雑記( 235 )

韓国滞在記最終回

5泊6日の金沢市韓国派遣事業。
初日は「これから5日もあるのか…」と不安でしたが、全州市役所の方々、ビビンバ祭のスタッフの方々、そして金沢市役所の方々のお力添えで、最終日には帰るのが寂しくなるくらい、有意義な日々を過ごさせていただきました。

d0128864_11070799.jpeg
帰りは朝5時半にホテルを出発。
タクシーで全州市の高速バスターミナルまで向かい、高速バスで金浦空港に向かいます。

右側通行なので、高速バスの乗り口も日本のバスとは逆です。

その時は気づきませんでしたが、ブログを書く為に写真を見返すと、バスのナンバーが6011。
反対から読むと1106。
11月6日生まれの母が見守っていてくれたのかも…
と、こじつけではありますが嬉しくなりました(笑)。

d0128864_11090658.jpeg
写真では分かりづらいかもしれませんが、韓国の高速バスはとってもゆったり。
座席の間隔が広いので、足も伸ばせます。
日本の高速バスもこうなれば良いんですけどねぇ。

金浦空港の国際線まで停留所が2箇所あり、更に金浦空港が終点ではないということもあり
朝4時半起きで非常に眠たかったのですが、乗り過ごしが怖くて眠れませんでした。
3時間の道のりですが、必死に、寝ないようフリスク食べつつ市役所の方とお話をして過ごしました(苦笑)。
d0128864_16063374.jpg
無事寝過ごすこともなく金浦空港に到着。
飛行機も時間通り飛ぶとの事で、少し時間があり空港内をフラフラ。

d0128864_16070180.jpg
機内食があることは分かっていたのですが、どうしても最後に韓国で何かを食べたくてバーガーショップへ。
日本ではあまり見かけない、唐辛子入りのスクランブルエッグが入ったバーガーを食べました。
なかなか美味でした。

d0128864_16070218.jpg
大きなトラブルに遭う事もなく、無事に出発。
最後の韓国の空です。

d0128864_16070358.jpg
帰りはJAL便。
日本へ向かうという事もあり、機内食は和食でした。
正直大韓航空の韓国行きの時の機内食の方が好みでした…。

機内の匂いや、和食の機内食で
「あぁ、もう日本に帰るんだなぁ…。」
と実感。
(大韓航空の飛行機の中は、韓国料理屋さんのような匂いでした。
JAL便は、自分が日本人のせいか特別何の匂いとは感じませんでしたが、韓国の空気とはやはり違う匂いでした。)
嬉しいような、寂しいような。



国家間では色々と問題も少なくありませんが、人として個人個人とお話しすると、本当に優しい良い方ばかりで、嫌な想いは全くする事なく帰国に至りました。
日本の文化に対しても、とても興味を持ってくださっておりましたし、機会があればまたお世話になった皆さんにお会いしたいと強く思いました。
日本から見るだけでは分からない韓国の一面を知ることができましたし、また、日本にいては気付くことが出来ない日本の一面を見つける事も出来ました。

本当に、とても貴重な経験をさせて頂きました。
今回の経験を今後の自分の活動に活かせるよう、邁進したいと思います。

明日から東京出張です。
北海道→韓国→東京と出張が続き、なかなかゆっくり自分と向き合う時間が取れませんが、こうして色々な場所で得たものを整理して作品に活かしたいと思います。
まずは健康第一!ですね。




[PR]
by pa-pen | 2018-11-12 16:24 | 雑記 | Comments(0)

韓国滞在記その5

最初は長く感じていた5泊6日の韓国滞在ですが、あっという間に5日目に…

d0128864_14454432.jpeg
朝から通訳の方が「お腹空いてませんか〜?」とくださったチーズ入りソーセージ。
日本のものと全く味は変わりませんでした。
5日目も食べ物の写真ばかりです(笑)。
d0128864_14485784.jpeg
ビビンバ祭にはユネスコ創造都市の食文化で選ばれている国々の方達も沢山参加されていました。
中国からも料理人の方が参加されていて、作られたチャーハンをお裾分けしていただきました♩
安定感のある味でした。

d0128864_14525997.jpeg
最終日という事もあり、ワークショップは大盛況でした。
本当は実演をするはずだった時間の大半をワークショップに割く結果となった為
「実演がもっと見たかった〜。
と言われてしまったのが大きな反省点です。
d0128864_14541929.jpeg
空き時間に周りのテントを見学。
日本のおこしと同じお菓子がありました!

d0128864_14560757.jpeg
こちらは韓国の結納の時?に用意されるという伝統的なお菓子。
あっさりとしたクッキーのような味で美味しかったです。


雨が少ないという全州市ですが、会期中晴れたのは2日間だけ!!!
全州市の人も驚いていました。
韓屋村の中でイベントをすると雨が降るというジンクスがあるとかないとか…(苦笑)。

最終日はなんとか晴れていたのですが、搬出の時間になった途端に嵐が!!!
みんなずぶ濡れになりながら片付けました(汗)。

d0128864_14570495.jpeg
最後の夜は、通訳さん達とお疲れ様会。
何を食べても美味しかった韓国ともお別れです(涙)。


終わってしまえばあっという間の韓国滞在。
食べ物がどれも本当に美味しかったですし、出会った方々は皆さんとても優しくて真面目でいい方ばかりでした。
本当にいい経験をさせていただきました。


[PR]
by pa-pen | 2018-11-11 14:44 | 雑記 | Comments(0)

韓国滞在記その4

毎日何かしらイベントがある韓国滞在。
本当は4日目も午前中は馬耳山見学ツアーを全州市の方が予定してくださっていましたが、 さすがに何をしに韓国へ行っているのか分からなくなってしまうので、丁重にお断りして、本来の目的である実演と体験を優先させて頂きました。

本当は、韓国まで来たのだし見てみたいという気持ちもあったのですが(笑)、仕事で呼ばれていますからね。
馬耳山は自分でお金出して旅行で見に行きたいと思います。

d0128864_14460855.jpeg
実演ではカメラとモニターを用意して頂き、手元がよく見えるようにしてもらいました。

d0128864_14453798.jpeg
ワークショップは無料という事もあり大盛況で、なかなか昼休憩が取れないくらいでした。
私は普段からあまり昼休憩をとらないので大丈夫でしたが、通訳さんも付き合わせることになってしまい、非常に申し訳なかったです。
とても真面目で優しい通訳さん達で助けられました。

d0128864_14441155.jpeg
お昼はプルコギ弁当。
次の日のお昼も同じお弁当だったのですが、2日食べても飽きない美味しさでした!

d0128864_14491694.jpeg
4日目の夜は昔高官が勉強をしていたという歴史的建築物の中でミニセミナーがありました。
金沢市のユネスコ創造都市としての取り組みや、利川市、全州市の取り組みなどが紹介され、
金沢市の紹介の中では今年参加させて頂いた企画「金沢おいしい工芸」に関しても触れていただきました!

d0128864_14512997.jpeg
セミナー終了後には、各々の市の作家同士これから交流を持ちましょうという調印式も行われ、
僭越ながらサインさせていただきました。

d0128864_14523282.jpeg
式の終わりには全州市長に私が制作したタイピンをお贈りさせて頂きました。

d0128864_14533668.jpeg
その後、ビビンバ祭参加国の人々みんなとお疲れ様会。
どんぐりのお豆腐?がよく出ていたのですが、日本の胡麻豆腐によく似ていて、とても美味しかったです。
日本でも買える場所がないかなぁ???

d0128864_14551499.jpeg
この日は食事会終了後、さらに利川市の方や全州市の方とマッコリ屋さんへ!
マッコリの薬缶一つに対して沢山のおつまみが出ます。
日本にはないシステムですよね。
日本にもこういうシステムの居酒屋さんがあったら人気が出ると思うんですけどね〜。

d0128864_14570093.jpeg
ホンオフェというエイを発酵させた食べ物。
テレビでよく見ることがあり、ずっと気になっていた食べ物を食べる機会に恵まれてラッキーでした!

匂いはキツイですが味は淡白で、食べられないことはなかったです。
慣れれば癖になるかもしれませんね。

d0128864_14590897.jpeg
なんという貝かわかりませんでしたが、日本の貝に比べて非常に淡白な味でした。

気楽な世間話から、少し真面目なお話まで、国境を超えて楽しい時間を過ごさせて頂きました。
ちなみにこの席では日本語しか話せない日本人(私)、日本語と英語が話せる日本人1人、英語と韓国が話せる韓国人2人、韓国語とほんの少しの日本語を話せる韓国人1人という組み合わせだった事もあり、私の言語野は知恵熱が出そうなくらい刺激を受けたのでありました(笑)。

[PR]
by pa-pen | 2018-11-10 14:41 | 雑記 | Comments(0)

韓国滞在記その3

韓国滞在3日目は韓屋村を案内して頂くことからスタートしました。

d0128864_11174701.jpeg
日本では見かけることがないカササギ。
カラスによく似た大きさです。
全州市の市の鳥だそうです。

d0128864_11195365.jpeg
韓屋村に住む猫ちゃん。
この後毎日会いました。

d0128864_11203893.jpeg
昔の佇まいそのままの雑貨屋さん。
金沢市の東山にもこういったお店がありましたね。
韓屋村は規模の大きな東山といった感じの趣があります。

d0128864_11215044.jpeg
慶基殿の周りには韓服を着た人が沢山。
韓服を着て韓屋村を散策するのが流行っているそうです。
d0128864_11235327.jpeg
門の真ん中に三又状の槍があるのは、お化けの侵入を防ぐ為だとか…
d0128864_11245935.jpeg
慶基殿内は天上の場であるということを表す為に、柱の下は白く塗られ雲を表現しているそうです。

d0128864_11260440.jpeg
展示物は興味をそそられるものばかり…
説明してくださる通訳の方にあれこれ質問しすぎて、すっかり長居してしまいました。

d0128864_11272822.jpeg
昼ごはんはビビンバのお弁当。

おやつはこれ…
d0128864_11275989.jpeg
ポンデギです。

d0128864_11283002.jpeg
エビの頭に近い味がしました。
もう少し甘辛く味付けしてくれた方が私は好みかも…。

d0128864_11291209.jpeg
道具が無事届き、テントも赤から白へ変更され、ようやく体験をスタート。
と、言いつつも、テントの覆いが赤かったので、やはり少しテント内は赤いです(汗)。

d0128864_11302670.jpeg
差し入れで頂いたモジュというマッコリの出がらし?にシナモンなどを混ぜた飲み物。
日本の冷やし飴に似た味で、ホットで飲むと体が温まりました。


全州市は金沢市よりも3度ほど気温が低く、この日はお天気もあいにくの雨模様。
屋外テントでの仕事は体が冷えました。

お客様も少なめ。
体験は、同じビビンバ祭に出展している方々が多かったです(笑)。


d0128864_11321316.jpeg
夜ご飯はトッカルビという韓国風ハンバーグのお弁当。
とても美味しく、日本に帰って早速家でも真似して作ってみました!

d0128864_11330701.jpeg
この日の夜は唯一予定が入っていない夜でしたので、周りを少し散策してみました。

d0128864_11343510.jpeg
豊南門の前のお店でホットクをパクリ。
かなりカロリーが高そうな味でした(苦笑)。

d0128864_11353858.jpeg
南部市場は週末の夜だけ夜市が開催されるらしく、様々な屋台が並び活気にあふれていました!

この後韓国のスーパーにも立ち寄りお土産を購入。
日本で1パック300円程するコチジャンが、4パックで300円!!!
迷わず購入しました(笑)。

こうして3日目も慌ただしく過ぎて行ったのでありました。

[PR]
by pa-pen | 2018-11-09 11:16 | 雑記 | Comments(0)

韓国滞在記その2

初日はほぼ移動に費やした韓国滞在。
2日目はいよいよ派遣員としての仕事が始まります。

d0128864_18560973.jpeg
ホテルの朝食。
韓国のホテルの朝食とはどんなものだろう?と興味津々でしたが、日本と同じような洋食でした。

d0128864_18570997.jpeg
通訳の方と合流して、全州市役所に表敬訪問しました。

d0128864_19112993.jpeg
立ち寄ったお手洗いのハンドクリーナーが、日本では見たことのない形で「あぁ、韓国にいるのだなぁ」と実感。

d0128864_18580641.jpeg
市役所の中を案内して頂いているところ。
入り口には全州市と縁のある方々の写真があり、その中には金沢市長のお写真もありました。

d0128864_18592989.jpeg
全州市長との懇談会。30分程の時間の中で、加賀象嵌の説明もさせて頂きました。

d0128864_19002837.jpeg
全州市長と。とても紳士的で素敵な方でした。
d0128864_19034584.jpeg
韓屋村に戻り会場設営。
なんと真っ赤なテントが用意されており、テントの中も赤い光の状態に…。
実演や体験をするには差し障るため、白いテントへの変更をお願いしました。
更には体験用の荷物が一部届かず…。
d0128864_19063341.jpeg
とりあえず様子を見るために、初日は赤い光の中、実演のみ行いました。

d0128864_19131660.jpeg

お昼はビュッフェスタイルの韓国料理屋さんへ。
目移りするほど沢山のおかずが並んでおりました!

d0128864_19140599.jpeg

韓国料理は野菜が沢山使われているのが良いですね。
かぼちゃの葉っぱがかなりお気に入りでした!

d0128864_19145828.jpeg

設営に戻ると、クルミのお菓子の差し入れが…。
ほんのり甘く、ついつい食べてしまう美味しいお菓子でした。


ビビンバ祭の開幕式にも参加させていただきました。

d0128864_19075072.jpeg

全州市長や市議の方々に混ざって、大きなビビンバを混ぜさせていただきました!

d0128864_19084423.jpeg

終了後には、全州市長が着用されていたエプロンにサインを書いてプレゼントしてくださりました

d0128864_19100513.jpeg

1時間ほどの盛大なセレモニーの後は、片付けをして、ビビンバ祭参加国の方々と晩餐会へ。
韓定食という伝統的な食事を頂きました。

初日から盛りだくさんの一日…。
d0128864_19163976.jpeg
ホテルの帰り道、コンビニに寄り韓国のビールを購入。
日本のものより穀物の香りが強い気がしました。


慌ただしいスケジュールでしたが、野菜を沢山食べているおかげか、体調を崩すことなく乗り切れました。

日本に帰ると野菜が高く…
韓国での日々が夢のようです(苦笑)。

[PR]
by pa-pen | 2018-11-08 18:54 | 雑記 | Comments(0)

韓国滞在記その1

先月になりますが、金沢市からの派遣事業として、韓国の全州市に5泊6日の日程で滞在させて頂いておりました。
帰国してからもバタバタと落ち着かない日々でしたが、ようやく少し落ち着いたので、思い出しながらちょっとずつ滞在記を書きたいと思います。

金沢市から韓国ですと、小松空港から直行便が出ているのですが、今回はあいにく全て満席との事で、羽田経由での韓国入りとなりました。
以下、写真とともに思い出を振り返ります。
d0128864_13084275.jpg
いつ見ても東京の高層ビル群は墓地のようです…。

d0128864_13084327.jpg
大韓航空で羽田からソウル金浦空港へ。
2時間ほどのフライトですが、機内食が出ます。
鶏肉のあんかけご飯のようなもの。
好みの味付けでした。

d0128864_13084388.jpg
こちらはソウルの街並み。
大陸続きなせいか、雲の色が日本のものとは違います。

d0128864_13084100.jpg
金浦空港からは全州市が用意してくれたタクシーで移動。
韓国は右側通行なので、自ずと車も左ハンドルです。

d0128864_13084415.jpg
高速道路のサービスエリアで運転手さんがご馳走してくださったホドゥというお菓子。
クルミを模したお菓子で中にあんこが入っています。

d0128864_13084710.jpg
中身のあんこが熱々で火傷しました。

d0128864_13084699.jpg
金浦空港から3時間かけて全州市のホテルにチェックイン。
一人で使うにはもったいないくらい広くて綺麗なお部屋でした。

d0128864_13084816.jpg
ホテルを出て橋を渡れば、仕事場となる韓屋村があります。
韓国の伝統的な町家が立ち並ぶ地域です。

d0128864_13084558.jpg
全州市は食文化でユネスコ創造都市に登録されています。
この日は有名なコンナムルクッパを頂きました。
辛さが爽やかで、冷えた体もぽかぽかと温まりました。

d0128864_13084992.jpg
ホテルに戻りホッと一息…
とはいかず、全てハングルで書かれたトイレ表示に四苦八苦。
あれこれ押して悪戦苦闘した事は言うまでもありません。


そんなこんなで初日はほぼ移動で終わったのでありました。
朝6時半に家を出て、ホテルに落ち着いたのは20時。
約14時間の道のりでした。

韓国滞在記その2に続きます。










[PR]
by pa-pen | 2018-11-07 13:22 | 雑記 | Comments(0)

作品の価値

先日書いた「一人でやるということ」という、作家として生きるという事の実情をご紹介した記事が、思いの外多くの方にご覧いただく形となり驚いております。

今回は、その記事を踏まえた上で、ちょっと踏み込んで価格のお話をしたいと思います。
前述の内容をご覧になっていない方は、そちらを一度ご覧になって頂いた方がわかりやすくなるかと思いますので是非ご一読ください。
価格という現実的なお話を踏み込んでお伝えしていいものか悩んだのですが、知っていただく事も大切な事のような気がしましたので、記載することに致しました。

工芸品や芸術品の価格ってよくわかりませんよね。
私も正直よくわかりません(苦笑)。

ただ、長年自分自身で作品を制作販売し続けていく中でわかってきた事もあります。
その一つが

販売価格=作品そのものの価値

ではないという事です。

物を売る仕事に従事していない限り、実はこれっていまいちピンとこない話なのではないかと思います。
私自身もそうでした。
ちょっと語弊のある表現のような気もするのですが、これ以外うまい言い方が思い浮かびませんでした(汗)。
後述の内容をお読み頂き、なんとなく言いたいことを汲んでいただけると嬉しいです(苦笑)。


世の中の人の多くが、工芸品や芸術品の販売価格を見て、その全てが作家の手元に入っていると思われています。
私の作品は決して安価ではない為、上記のように考えた方から

「こんな高額なものを売って、さぞかし儲けているのだろう」

と言われることが多々あります。


ですが、現実は実利でいうと販売価格の1〜2割、いいとこ3割といったところです。


まず、百貨店やギャラリーなど店舗で販売する場合は、必ず仲介料が取られます。
大体が販売価格の2〜4割、有名ギャラリーなどは5〜6割仲介料をとります。

話だけ聞くと「仲介料でそんなに取るなんて!!!」と思われるかもしれませんが、仲介料をとる代わりに、自分だけでは集客できないような層のお客様を集客し、紹介してくださるので、額としては決して高い価格だとは私は思いません。

スーパーで売られているものに関しては、皆さん卸値があることをご存知なのにも関わらず、こと美術品や工芸品となると、そういう発想がなくなってしまう方が多いのが不思議なところです(苦笑)。

残った価格の中から、材料費や制作に必要な光熱費、送料などを引いていくと、時給に換算するのが嫌になるくらいの金額しか残りません(苦笑)。

こういうお話をすると「では百貨店やギャラリーからは買わずに作家個人から直接安く買おう」と思われるかもしれませんが
私の場合は私個人から購入しても、店舗を通じて購入しても金額は変えないことにしています。
これは上記のようなことをしてしまうと、販売店舗との信頼関係がなくなってしまうからです。


「じゃあ個人で販売している時はボロ儲けじゃないか!」という方もいらっしゃるかもしれません。
正直なところ、前述の通り、店舗を通じての販売実利はわずかなものです。
店舗を通じて知り合った方が、後々自身の顧客になってくださることで、ようやく作家として食べていける程度の稼ぎになるのです。


他の作家の方がどのような考えかはわかりませんが、私個人で言えば、百貨店やギャラリーでの仕事はいわば宣伝のようなものです。
百貨店やギャラリーで宣伝させて頂くことでだんだんと顧客が増え、そうなることで今度はこちらが百貨店やギャラリーの集客をあげる広告塔に育っていく…。
これが一つの理想の形なのではないかと考えています。


この仕事を始めた頃は、物の価格というものの意味が分かっていなかった事もあり、現在よりもかなり安い価格をつけていました。
販売価格の中には、材料費など作品に直接かかる金額はもちろんのこと、それを販売するに当たり関わる人間への人件費、そして自分自身の作品に対する自信や責任(これがブランド価値と呼ばれるものなのかもしれません)が含まれているのだということを最近ようやく理解するようになりました。

作品に対する自信や責任に関するお話はまた機会があれば掘り下げたいと思いますが、長くなりそうですので今回は割愛いたします。

ここまで読んでいただければ「販売価格=作品そのものの価値」ではないと書かせていただいた意味が分かっていただけるかと思います。
「そういったことを全てひっくるめて作品の価値」でもありますので、少し語弊があるかも…と悩みました。

あくまでこれは私が活動してきた中で感じたものであり、作家それぞれ価格に対する考え方は様々だと思います。
ただ、若手作家の方であまりにも安い金額をつけられている方には、もう少し価格の意味を考えて欲しいと思うことがあります。

買い手としてはもちろん安いに越したことはないんですけどね(笑)。

ここに記載された内容が全てで正しい!とは思わないでください。
あくまで一例です。
一例ではありますが、美術品や工芸品がなぜに高額なのか、その理由の一部をご理解いただければと思い書かせていただきました。
一般の方に対して…というよりは、10代20代の作家さんに対しての想いが強いかもしれません。
なかなかこういった具体的な価格の話をする機会は少ないですから、私自身理解するのにとても時間がかかりました。

買い手にとって安いことは良いことですが、作品の価格には色々なものが含まれているということを若手作家さんには知ってもらいたいです。

…なんて、少し偉そうでしたね。すみません(汗)。

d0128864_14422965.jpeg

工房長みつ君も「難しい話はよく分からん」と寝てしまいました(笑)。

ただ、一人でやっていく場合は、やはりこうした市場の流れや価格の意味ともしっかり向き合わないといけないんですよね。
毎回価格付けは悩みます。



[PR]
by pa-pen | 2018-04-19 14:50 | 雑記 | Comments(0)

一人でやるということ

春の嵐でしょうか。大荒れのお天気の金沢です。
それでも風が暖かくなって参りましたね。今年もぼちぼちプランター菜園の苗植えの季節だな…と何を植えるか検討しております。

最近展示会に出ていると、学生さんと思しき方から「作家として食べていきたい」というご相談をいただくことがちょこちょこあります。
私が思うに、一般の方が考えている「作家」という仕事の形態がとれている(好きな作品を作ることだけに没頭して日々を過ごす)方は、作家をしている人間のほんの一握りです。


これから作家の道を進みたい!という方、作家とはどんな生活なのか気になる方に、その実態を少しご紹介します。


「作家」と呼ばれる人の大半が副業をしています。
先輩作家さんの下請けだったり、パートやバイトだったり、学校の先生だったり、普通に就職をしていたり…業種は様々ですが、自分の作品だけを制作販売して、それだけで食べている人間はとても少ないです。


私は高校生の時に加賀象嵌の道に進むことを決め、実際に学ぶようになって17年になりますが、自分の作品だけで食べていけるようになったのは14年目からです。
それまでは夜は飲食店でバイトをしたり、下請けの仕事をして生活していました。

ちなみに、この下請けの仕事をメインにされている方を工芸の世界では「職人さん」と呼ぶことが多いです。
一般的な「職人さん」のイメージと、工芸をしている人間の「職人さん」に対する感覚は少し違います。
なので「日本の職人展」などの催事に呼んで頂く際は、実は少し違和感を感じていたりします(苦笑)。


話が脱線しました。
自分の作品だけで食べていけるようにはなりましたが、前述の通り、作品を制作することだけに没頭して生活できる方は本当に一握りです。

私は自分の作品をどんな方が求められるのか、自身の目で確かめたいという思いもあり、委託販売はほぼせず自分自身で売り歩くという形を現在は選んでおります。

今ではありがたい事に色々なギャラリーや百貨店からお声がけいただき、あちこち行かせていただいておりますが、最初は自分で作品のポートフォリオを持って営業に出歩いておりました(笑)。
今でも名刺は常に持ち歩いておりますし、飲み屋であろうとどこであろうと、出会った方には名刺を渡して営業しております(笑)。

そういった人と人のご縁で仕事が入って参りますので、家に籠って作品だけ作る…というようなわけにはなかなか行きません。


ご縁があり、百貨店でお仕事が入ったとしましょう。
まず、大量の書類との戦いがあります(苦笑)。

きっと事務仕事や書類仕事なんてしたくない!という思いから、好きなモノづくりの道に進もうと考えている方もいらっしゃると思いますが、残念ながらそうはいきません。

d0128864_14173294.jpeg
百貨店であろうと、ギャラリーであろうと、必ず書類はついてきます。
しかも枚数が多い!!!
毎度毎度ウンザリします(苦笑)。

県外の百貨店やギャラリーでの仕事だった場合、宿泊費や交通費は負担してもらえて、ホテルも用意してもらえている…なんて考えていませんか??
宿泊費も交通費も自分持ちですし、もちろん宿の手配も自分でしなければなりません。
暇さえあればパソコンとにらめっこして、安いチケットや交通手段をひたすら調べます(笑)。

作品を作れば、箱に入れなくてはいけません。

d0128864_14191838.jpeg
もちろん箱詰め作業だって自分でやらなくてはいけません。

d0128864_14192680.jpeg
説明書や作歴も自分で作って、自分で折って自分で箱詰めです。

値札も自分で用意しなければいけません。箱もタダではありませんし、作品に合う色や形態の物を探して購入しなくてはいけません。
これがなかなか大変だったりします(汗)。
こういった地味な作業も省くことはできない大切な仕事の一部です。

一人でやるということは、経理も一人でやらなくてはいけないということです。
毎年の確定申告ももちろん自分でやります。
そしてその為には領収書整理が欠かせません。

d0128864_14193789.jpeg
出張から帰った時は、大量に溜まった領収書&帳簿と3時間近く格闘します(苦笑)。

物を作る仕事をしているというと、なんだか好きなことだけをやって気ままに暮らしているように思われる方も多いようですが、実際の業務内容は雑務が多く、限られた時間の中でいかに計画を立てて制作の時間を組み立てていくかというのが大切になります。

いつも必ず一ヶ月分の計画表を作るのですが、仕事は突然入ってくる為なかなか予定通りとはいきません。
常に新しい作品を作っている為、もちろん失敗だってあります。

材料はタダではありませんから、そもそも材料を買うお金がなければどうにもなりませんし、道具は消耗品も多く、そういった経費もバカになりません。
今私の工房にある制作の為の道具の総額はざっと軽く見積もっても200〜300万ほど。
仕事に最低限必要な道具を揃える初期投資だけでも20万はかかります。
(逆にいうと20万あればある程度揃えられます。)


「普通のサラリーマンにはなりたくないので、何か作る仕事を…」
と相談されることがありますが、普通のサラリーマン以上に事務仕事や営業をしなくてはいけない場合だってあります(苦笑)。

この仕事のベースはとにかく「好き」ということだけです。
私は加賀象嵌がとても好きで、それ以外で生活していく術が浮かばないので、なんとか嫌なことも頑張れております。
これはとてもラッキーな事です。

随分と夢のない話をしてしまいましたが…
これからモノづくりの道に進もうという方は、こういう世界もあるのだということを理解した上で頑張って欲しいなぁと思います。

もちろん、才能や縁に恵まれて、作品づくりだけに没頭できる方だっていらっしゃいます!
夢は大きく!!!!
でも現実も大切に(笑)。



[PR]
by pa-pen | 2018-04-15 15:15 | 雑記 | Comments(0)

上手に甘える

先日パニック障害に関して書かせて頂いたところ、多くの方からメッセージを頂きました。

なかなか人には気付いてもらえないけれど、なんとかうまく付き合っていこうと工夫されている方が沢山いらっしゃるんだと、なんだか日本全国に同士が沢山いるような気持ちになりました。
皆さんありがとうございます。


予定日より1ヶ月早く生まれてしまったからか…
はたまた365日締め切りに追われる生活を20年近く送っているからか…

基本的にあまり体が丈夫ではありません(汗)。

それでもこうして色々なところに出張に行き、作品を制作、展示販売させて頂けるのは、色々な方の支えがあるからこそだなぁと改めて感じました。

d0128864_16511352.jpeg
文字ばかりだと息が詰まりそうなので、工房長みつ君の写真でも(笑)。
新しく導入したシュレッダーに興味津々です。


話は戻って体調の話ですが、本当にあれこれと小さな不調と長い間お付き合いしております。
軽度のパニック障害に軽度の鬱病(この二つがセットの方は多いと思います)、チマチマとお腹の中にある筋腫に耳管開放症…etc。
どれもこれも長いお付き合いです。

長い付き合いの中で、なんとなく折り合いは付いているのですが、耳管開放症だけはどうにも苦しめられます。
これ!という治療法がないのが困ったところです。
接客最中に症状が出てしまうと、お客様のお話がよく聞こえなくなってしまう上に、自分がどれくらいの声量で話しているかもわからなくなってしまいます。

太ると症状が緩和することが多いらしいのですが、乙女心として太ることは受け入れられません(苦笑)。
いい治療法ができればいいのになぁと思いつつ…
命に関わる病気でもありませんし、我慢するしかないのかなぁというのが現状です。


きっと世の中「生まれてこのかた病気知らず!」という方の方が少なく、皆何かしらの不調と付き合いながら生活をしているのだろうと思います。
なんだか人付き合いと似ていますね(笑)。

自分の体の中にも色々なものが存在していて、それぞれが程よい距離感を見つけつつ日々を生活しています。

だんだんと歳を重ねる中で、全てを隠しながら一人で仕事をすることが難しくなってきました。
何もかも勢いでできていた20代との違いをヒシヒシと感じる日々です。
強い自分でいることを演じるよりも、弱い部分も伝えて、人の助けに甘えることも大切なのかもしれないと最近思うことが多く、こうして書くことにしました。

長年末期癌と闘っていた母をみていたせいか「命に関わる病気じゃない限り弱音を吐いてはいけない」というような想いが根付いておりましたが、
ただの風邪だって捻挫だって辛いものは辛いんですよね。

弱音を吐いてみようと思えるようになったのは、それを受け止めてくれる友人や家族がいると感じられたからです。
その事に感謝しつつ、長く仕事を続けられるようにする為にも、上手にみんなに甘えて(笑)進んで行きたいと思います。




[PR]
by pa-pen | 2018-04-13 17:36 | 雑記 | Comments(0)

お守り

暖かかった九州から金沢に戻ったら、あまりの肌寒さにびっくりしてしまいました。
今週の晴れ間は1日しかないということで、出張から帰った次の日ではありましたが、朝からお弁当を作ってお花見に行ってきました。

d0128864_10581037.jpeg

初めは川沿いの桜を見に行ったのですが、あまりに寒く断念。
400年の森という金沢市の隠れた桜の名所に行き、車の後らをフラットにして、車の中でピクニック気分を味わいました。

d0128864_11004026.jpeg

以前も何度か書いた事があるのですが、実はあまり桜が得意ではありません(汗)。
綺麗だなぁとは思うのですが、長時間のお花見は楽しめないのです。

実はずっと長い間、軽度のパニック障害とお付き合いしています。
きちんと診断が出たのは20代半ばですが、10代の頃から同じ症状に悩まされていて、その頃はパニック障害という言葉はあまり耳にせず、自律神経失調症と言われていました。

何ヶ月も症状が出ないこともあれば、毎日発作に悩まされる時もあり…
毎日薬を飲む生活は嫌なので、発作が出た時だけお薬を飲んで過ごしています。

d0128864_11055517.jpeg

手放せないお守りです(苦笑)。
お花見が苦手なのも、パニック障害と関係しているように思います。

幸い軽度のものですので、自分をうまく騙しながら、長期の出張などもこなしております。

例えば…

急に人が沢山いるところに行くと発作が出やすいので、出来るだけ人が少ない早い時間に出社して、気持ちを慣らします。

出勤直前に発作が出てしまうこともあるので、朝は早く起きて、ストレッチをしたりお風呂に入ったり、リラックスした状態を作ります。

緊張感が取れないときはコーヒーなどは控えます。

おかしいと思ったら我慢せずにすぐ薬を飲みます。
そして自分に大丈夫だと言い聞かせます。

それでもどうしても出来ないこともあります。
高速道路を自分で運転することだけは、どうしても出来なくなってしまいました。
途中で発作が起きたら…と思うと怖くて運転できません。
(人が運転している場合はなんとか大丈夫です。でも時々助手席だと辛くなってしまって、後部座席で外を見ないようにして過ごしたりします苦笑)

ですので、毎年展示で訪れている山梨県までの長い道のりは、いつも6時間かけて下道で向かいます(笑)。
下道ならば発作が出てもすぐに車を止められますし、ゆっくり休むこともできますからね。

なぜ今になって突然カミングアウトのような事をしたかと言いますと、最近ちょこちょこと同じ病気で悩んでいる方を見かける事があったからです。

恐らく私を知っている大半の方が、まさか私がそんな病気を持っているとは思っていないと思います(笑)。
上手に付き合えば、それくらい生活できるようになることを知ってもらえればなぁと思い、書くことにしました。

私の場合軽度なので、もっと酷い方は大変な思いをされていると思います。
それでも病気に負けず、少しずつできることを増やせるよう、病気と仲良く過ごしてほしいなぁと思います。

[PR]
by pa-pen | 2018-04-06 10:56 | 雑記 | Comments(0)

金沢の稀少伝統工芸である加賀象嵌のお話を中心に、その他趣味のお話もちょろちょろと…。


by pa-pen
プロフィールを見る
画像一覧